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この季節、ハスの花が美しく咲いている。

ハスの花が咲いているところを見ると、なんとなく仏教的なイメージを思い浮かべてしまう。仏画や寺院・仏像の荘厳(しょうごん。装飾のこと)にハスの花や葉などのモチーフが使われるのはもちろん、もっと身近にお葬式や法事のおまんじゅう・らくがん、満中陰志の挨拶状、盆燈籠などで見ることで、すっかり「ハス=仏様」と刷り込まれてしまっている。
まあいわばそれもそのはずで、日本のハスの原産地はインドで、仏教とともに我が国に渡来した、と言われているのだった。

ハスは昔からとても身近なものだったようで「蓮」の字の付く苗字は、蓮池、蓮田、蓮見、蓮井などいくつもあったりする。

ハスというより「れんこん」のというほうが更に親しみがわいてくる。
最初に食べた人はどういういきさつだったのか想像もつかないが、深い泥池の底から掘り出して泥を落とすと真っ白な芋のようなものが現れ出たので、きっとびっくりしたことだろう。
そして切ってみてまたびっくりしたにちがいない。あんなに穴ぼこの空いたものは他にはないだろう。逆に、何か円周上に穴が連なったような構造のものを「レンコン状の」と形容するくらいだ。

レンコンは天ぷらでもきんぴらでも、筑前煮などの煮物でも美味しいが、上等なお弁当やお節料理に入っている酢蓮もおいしい。辛子レンコンなど、いろいろの郷土料理もあるようだ。

日本以外でもインドやアジアでは食べられれているレンコンだが、ヨーロッパではいまでもあまり食べないようだ。
ギリシャの古典で「蓮食い」の悪名が広まったせい?…かもしれない。

古代ギリシャのホメーロス作の戦争叙事詩「イーリアス」「オデュッセイア」のうち後者の第九章にそれは出てくるのです。
「蓮食い」ロートパゴイ族(λωτοφαγοι)とは「ロートスという甘い果実を常食する」人々。ロートスを口にすると、仕事や使命のことなど忘れてしまうのだとか。
それで英語でロータス・イーター(Lotus Eater)といえば「放蕩三昧に日々を送る人」という意味になるそう。
ここでの「ロートス」は甘い果実ということで、きっと我々が現在食べているハスとは別の物に違いありませんが、ちょっと面白い話ではあります。

A.T.迦楼羅
ジオマンシー(ゲオマンシーともいう)占い、西洋占星術、易占いなど、世界各地に古くから伝わる占術の研究者であり、心理カウンセラーとしても多方面で活躍中。
スピリチュアルカウンセラー育代オフィス所属
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