ナチュラルヒーリングPhoto/馬酔木

ナチュラルヒーリングPHOTO

馬酔木(あせび)はツツジ科アセビ属の常緑の低木で、名はアセビのほかに古くはアシビと呼ばれ、万葉集にもいくつか登場するという。
 「磯の上に生ふる馬酔木を手折らめど
  見すべき君が在りと言はなくに」

「ヒガンノキ」と呼ぶ地方もあるそうだ。春の彼岸のころに花盛りになったのを仏前の供花にするのだとか。

馬酔木はスズランのように袋状の白い花を房状・穂状にたくさん咲かせる。
花は、薄ピンクのもあるらしいが見たことがない。
白いし小さいので華美でも派手でもない花であるが、大きい房になってたくさん群れ集まって咲いているさまは、清楚ながらゴージャスだ。
春の兆しを感じるころにこの花の房を見上げるととても楽しい気分になるが、残念なのはほとんどというくらい香りがしないこと。これでもしとてもいい香りがしたならばもっとうれしいのに、と思うばかりだ。

ところで、なぜ漢字では「馬酔木」と書くのかと言えばこの木の葉にはアセボトキシン(asebotoxin)という有毒成分があり、馬が葉を食べると中毒して酔ったようにふらついたことから、だと言われる。
奈良公園や春日山の鹿はこのことを知っていて馬酔木の葉を食べないために馬酔木が良く育って他の木よりも目立つ、という話もあるようだ。

馬酔木は学名「Pieris japonica」で、英語では「Japanese pieris」とか「Japanese andromeda」と呼ぶようだ。英名のアンドロメダも古代ギリシャ神話に出てくるが、学名にもあるピエリスも同じくギリシャ神話に登場し、こちらはとある九人姉妹のことだという。
きっと、花が寄り添ってたくさん咲くことからピエリスという学名が与えられたのだろうなと思うと微笑ましい心地がする。

A.T.迦楼羅
ジオマンシー(ゲオマンシーともいう)占い、西洋占星術、易占いなど、世界各地に古くから伝わる占術の研究者であり、心理カウンセラーとしても多方面で活躍中。
スピリチュアルカウンセラー育代オフィス所属
https://www.ikuyo.co.jp/top.html 

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。